書き記したのは誰だ

先日のエントリでこのような事を書いた。

まるでキン肉マンという実在の超人の話が口伝の末に奇譚めいた色合いを帯びて伝わったのがコミック版のキン肉マンなのではないかという感じ。

では史実を今のキン肉マンという物語の形にして語り継いだのは誰なのだろうか。
ここでキン肉マンII世に登場するMAXマンのセリフを見ていただこう。

30年前 俺の祖父が初代キン肉マンに倒された時…
リングサイドにはスニゲーターJr… つまりオレの父がいた!

あわてて悪魔六騎士編を読み返したのだが、リングサイドにはスニゲーターJrの姿はない。いたはずの子供の姿が描かれていないのは何故か。それは当然、王となり正義超人を束ねるキン肉マンの英雄譚に、子の前で親を惨殺したなどというエピソードがあってはならないからである。これでミートがMAXマンの目を見る事ができぬほどに怯えた理由もわかってきた。奴だ。ミートだ。あの物語は、ミートによって神秘性のスパイスをふりかけられ都合の悪い部分を編集され、キン肉王家の強大さを後世の人間に伝える目的で作りあげられたものなのだ。悪魔超人編の最初で悪魔超人の姿がコロコロ変わるのは、きっとバラバラにされておぼろげな意識で見聞きしてたからに違いない。なんだよ、プリプリマンって。また、あんな小さい子がミキサー大帝相手に善戦するのに違和感を感じていた人も多いだろうが、あれも書き手がミートであったとすれば納得がいく。なにより彼がコールドスリープでII世の時代まで眠っていた理由もハッキリしようというものではないか。彼は歴史を語り継ぐ者なのだ。
…ミートが何故、タッグトーナメント編でスグルが観客の爺さんを放り投げるシーンを「アリ」と判断したかについては次回をお楽しみに(つづかない)

思いだしてきた

子供の頃の俺はジャンプを毎週買うような財力は持ち合わせていなかったので、理髪店、有料プールの休憩コーナー、伯父が経営していた喫茶店などを利用してキン肉マンの物語を追っていたんだった。となりの家の子が悪魔六騎士編で単行本を集めるのを止めてしまったからだ。
しかしそれらの店のどれひとつとして号数順にジャンプを揃えている店はなく、俺はキン肉マンの物語の断片を時間軸に沿わない形で拾い集めていくはめになった。準決勝の試合を見たかと思えば一回戦第一試合を見て…といった具合に。
茶店で見て驚いたんだよなあ。なんの説明もなく雷を鷲掴みにするネプチューンマン。「え?これはなんか説明とかないの?」って。前の号で説明があるに違いないと思って直前の号が置かれてる所を探したっけなあ。