サーヤ・サーガ

将門公の首塚を見学したついでに、皇居東御苑を散歩してきた。
「これだけ広いんだ、夜間であれば皇族の皆さんはストリーキングし放題だな。皇族はストレスも多いだろうしねえ」
などと不謹慎な冗談をとばしながら思ったんだが、ストリーキングはないにしても"サーヤ様がコスプレして夜の散歩"ぐらいのイベントがあってもよかったんじゃなかろうか。
サムライトルーパーの鎧をまとって東御苑内を歩くサーヤ様。
コスプレ散歩について説明を受けていなかった新米警備員が物音を聞きつけてやってくる。
鉢合わせた2人、お互い思わず会釈。
「よくお似合いですよ」と笑顔の警備員。
その日から夜ごと行われる警備員1人を観客としたコスプレショウ。
言葉をかわすことも滅多になく、お互いの存在を確認するのは警備員の巡回経路とサーヤ様の散歩道が重なった数刻の時だけという不思議な関係。
しかし、見るものと見られるものというコスプレの本質がここにはあった。


…そんな妄想を展開していると、とても温かい気持ちになってきた。