ボブサップ式会話術

有名スポーツ選手であるところの君が、ファンの少年達に送るコメントを求められた。
ここは未来ある子供達のために"大人になるまでにやるべき事"についてアドバイスしたい。
奨めたいものは「勉強、スポーツ、テレビゲーム、動物」だ。
さあ、どういう順に奨める?
たいていの人は、子供相手と言うことでまずスポーツ、次に勉強、そして息抜きとしてのゲーム、最後に動物をかわいがるやさしさを忘れるな、で締めることであろう。
それでは少年ジャンプ41号におけるボブサップの解答を見ていただきたい。

まずひとつは、がんばって勉強することだ!君たちの仕事は勉強だろ!勉強でナンバーワンを目指すんだ!それからスポーツもがんばれ!ひとつのスポーツじゃなく、いろいろやって得意なものを探せ!あとは動物をかわいがって、テレビゲームをやるんだ!ガハハ!」

どうだろう?実に当たり障りのないアドバイスをしてるはずなのに、強いインパクトを感じなかっただろうか。
いきなり勉強、それもナンバーワンを目指し、さらにスポーツを色々やれという子供のキャパを超えたアドバイスも素晴らしいのだが、ポイントは後半だ。
最後に「テレビゲームをやるんだ」を持ってくることで文章全体のインパクトが増し、さらにゲームをやることと同率3位が「動物をかわいがること」だということに感じる違和感がさらなるインパクトとなる。
並べる順番を変えただけでなんの印象にも残らないようなアドバイスがグッと印象深くなった。
普通にありがちなアドバイスを並べただけなら子供も素通りだろうが、ボブ式アドバイスに感銘を受けた子供は"勉強とスポーツを一生懸命がんばる"か"ゲームと動物愛護を一生懸命がんばる"のどちらかぐらいはやるのじゃないだろうか。それぐらいの説得力はある。
順番は大事だ。好きな食べ物を聞かれたとき「ビフテキ七面鳥フリスク」って順番で言ったらおもしろいじゃん。
あれ?なんだこれ?ようするにオチをつけろってことを言ってるんですか?俺は。
まあ、それよりもだ。一番大事なポイントは最後の「ガハハ!」なのではないだろうか。最後に剛胆に笑い飛ばせば、それまで何を言ってようと「大ざっぱな奴の言ったことだしなあ」で済まされる。万能だ。
とりあえず万能の会話術を身につけたかったら、大ざっぱ発言に説得力を持たせるために2メートル以上の身長とゴリラのような体格は必須だといえよう。あとは動物をかわいがって、テレビゲームをやると良い。ガハハ!