カラオケボックスの囚われ人

カラオケで歌いやすい歌ばかりがヒットするせいで音楽の質が下がってるなどということが言われていた90年代の話。まあ当然、ブラウン管の中に居ながらも、そういう世間の風潮に疑問を投げかける歌手も居たわけだ。
ある時、歌番組に出ていた藤井フミヤさんがこういうことを言った。
「世の中はカラオケ向きの曲ばかりだ。だから今回歌うこの曲はカラオケで歌えないような曲を作ろうと思って作曲した」
いやいや。得意満面のところ悪いが、基準がカラオケって時点でなんかおかしいよ、藤井さん。
仮想敵を明確に設定しすぎるあまり、結局は自分もその呪縛に囚われてしまうということがある。
憎しみが何かを生むことも稀にあろうが、憎む相手がカラオケじゃなあ。


藤井さんはそんなことがあったのを覚えているだろうか。流石に覚えてないだろうな。
その歌がなんであったか俺は覚えてないないが、多分その曲は今ではカラオケマシンに収録されている。