仲間ができたら概ね終了

少年漫画の世界で一番大事なものというと、やっぱり仲間なんだよなあ。友情努力勝利が死語になりかけても、そこだけは未だに変わらない。とにかく仲間だ。仲間がいれば勝利もおのずとついてくる。仲間ができたら目標の大半は達成している。
そうすると、今のワンピースやNARUTOが冴えないのって「仲間が揃った=目標を達成しちゃった」からなんじゃないだろうか。思えば、仲間の離脱エピソードをやりたがるのもそのせいかもしれん。なにをやっても安定してしまう状況を打破すべく内部から改革。ただ、もう遅い。すで主人公には一緒に心配してくれる仲間がいる。つまり、ある程度の心の平穏は約束されている。去った者が戻ってくるのでなければ丁度良い感じの悲劇にしてしまうぐらいしか落としどころがないだろう。
素人の上達過程が主軸のスポーツマンガの場合と似ているかもしれん。上達しきってしまったあとは緊張感も達成感も薄まる。ただ仲間の場合はなんとかなりそうなのが困りものだ。上達した人間を素人に戻すわけにはいかないが、仲間は去らせることができる。しかしキャラ人気という大人の事情もあるだろうし、そうでなくても読者は何も不快感を味わいたくて読んでるわけじゃないから、むやみにキャラクターが去っていく展開なんて望んでないだろう。
どうすればいいのか。仲間なんてつくらなければ良かったのか。感謝知らずの男になるべきだったのか。
いや、これは本来存在しないはずの読者の視点のせいだ。仲間は仲間でいいはずなのだ。奴等の立場からすれば、仲間が揃ったら目標達成ってことで大いに結構なわけだ。以後ぬるま湯のような消化試合ってことでかまわないわけだ。もっと登場人物の気持ちになってください!!!!!我々が面白い展開を望まなければサスケくんだって木の葉の里を去らなかったかもしれないのにぃ!!!!
 …それにしても、決して安定しちゃならないって凄い世界だなあ。
少年漫画はロックだ。そして少年漫画を読んでいる君達もロックだ。