志願囚人

  • 脱出王(FlashGame)

http://tonbi.jp/Game/IF/OneRooms/index.html


Flashのコマンド入力型アドベンチャー
この手のゲームはいまだに一部愛好家の手でフリーソフトとして製作されてたりするのだが、これは特に味があって面白かった。
目的は「今居る部屋を脱出して次の部屋に行く」ということのみ。最初はドアを開ければ普通に出る事ができるものから始まって、徐々に手の込んだ脱出法を要求されるようになっていく。面白いと思ったのは、一部屋クリアした時点で所持品がリセットされてしまう点。それだけでなく、時には主人公の身体能力的なものも前の部屋と次の部屋で異なってる場合すらあり、連続した物語なのに繋がりが希薄であることが奇妙な雰囲気を醸し出すとともに、「今はこの部屋にだけ集中すれば良い」ということがゲームのわかりやすさにも繋がっている。実に良い。
このような発想はどこから出てきたのかと制作者のブログ*1を見たところ、

プレイヤーにとっても、制作者にとっても練習として作ってみました。

と、かなり素直な動機。また別ところでの

ストーリーなんかいらん、ゲームでストーリーとか見たくない、このクソが(そこまでは言ってない)、と書いてますが…

ここら辺も功を奏した感じ。ストーリーを削る事で雰囲気が増すという。
入力まわりもいいなあ。ローマ字入力するとカタカナで表示されるという些細なことなんだけど、いちいち確定のためにエンターキーを押さなくていいのでストレスが少ない。何度も何度も文字を入力し続けるゲームだからこそ、こういうのは重要だよなあ。
コマンド選択式ゲームやクリックアドベンチャーの問題はいかに総当たりを回避するかという一点であり、これに皆が慣れた今はコマンド入力アドベンチャーには戻れんのじゃないかと思っていたんだが、このアイデアはうまくすればコンシュマーゲームとしても通用しうるかもしれんと思った。セールスポイントがはっきりしてるので売りやすいというか。まあ、キーボード普及率が最大の障害になるんですが。


これとは直接関係ないけど、チュートリアルって人間の導かれたい欲を満たす要素があるから、チュートリアル100連発!みたいなのってゲームになるかもしれんなあと思った。傾向が違い、習得目的が見えないチュートリアルを何百もやらされるようなの。ストーリーめいたものが各自の頭の中にボンヤリ浮かび上がってくる感じ。
(3/4追記)
最後の部屋まで完成したようです。未プレイの方は是非。
______________________