アレのある世界

その腕っ節の強さから「狼」という通り名で呼ばれている男がいたら、俺はそいつと喧嘩しようと思わんね。人でありながら周囲から肉食獣にカテゴライズされておる男だ、相当強いぞこりゃ。ひょっとしたら噛み付いてくるかもしれんしな。しかしファンタジー小説とかにも「狼」って通り名の人が出てくることがあるが、あれは大丈夫なのか。狼がドラゴン討伐に出かけたりすると「わあ、負けちゃう!」って心配になったりする。剣と魔法が存在する世界でメインキャラ張れるだけあって戦闘能力は狼以上なのに狼呼ばわり。過小評価じゃねえか。「カッコいい通り名で呼ばれてうれしいなあ」とか浮かれてる場合じゃないよ。それ侮辱。言ってる奴等を噛んでやるべき。
うーむ。この場合の狼って素手の場合におけるスペックの話なんかなあ。それなら野生の狼の方が強いか。戦場の狼だって銃持ってるから狼より強そうだけど、素手なら狼より弱かろう。いやいや、じゃあ餓狼伝説の登場人物はどうだ。「狼は眠らない」などとキャッチコピーで狼呼ばわりだったけど、あいつら確実に狼より強い。ひょっとしたら戦いに対する姿勢の問題か。孤高を貫き獲物を逃さない……みたいな。ああ、多分これだな。でも、やっぱりドラゴンが存在する世界で狼って通称は納得がいかんよなあ。ドラゴンって呼んでやれよ。竜殺しを果たしておらんブルースの奴だってドラゴンって呼ばれてるのに。
物語を作る上で、魔法が存在するってことが社会にどんな影響を及ぼすのか、細かいところまで考察していくとキリがないだろうな。娯楽とかガラリと変わるんじゃないだろうか。そういや魔界搭士SaGaの世界って超能力と科学とファンタジーが混在するけど、あの世界でどんな映画が放映されてるのか気になる。あらゆるジャンルが成立しない気がする。いや、軍人だって戦争映画見ることもあるよってことでオッケーなのか。ナルトも劇場版アニメで忍者映画見てたし。しかしそれは我々が見る映画とは意味が変わってくるわけだよなあ。ホームドラマ見る感覚で指輪物語見たりするのだろうか。
テニスの王子様を読んでる人の感想として「中学生のテニスでこれならプロの試合とかどうなってるんだよ」ってのをよく見るが、むしろあの世界の格闘技の試合がどうなってるのかが気になる。テニスボールで数十メートル吹っ飛ばされる世界なのだから、ボクシングだったら手が触れただけで相手が蒸発とかいうレベルまでいかないと満足できないと思う。それが格闘技と呼べるのか、それを観戦して楽しいのかどうかは知らないけど。