ドラえもんED『あぁ いいな!』

ネット上で「ドラえもんを汚した」的な言説が多々見られるダブルユーの『あぁ いいな!』なんだけど、今更ながらこれはつんくなりの狙いがあったような気がしてきた。「なまずはうろこがない」からの急激にBPMが変わるのは場面転換じゃないだろうか。どこへの場面転換かというとドラえもんのいない世界への。これはエンディングテーマだからこそ許される荒業だ。歌詞にある「お金持ちになれたらいいな」「お城とかになってたらいいな」「また明日会えるといいな」「デートしたいな」はドラえもんがいれば叶う夢なんだけど、彼女たちはドラえもんのいない世界の住人なので、それをたやすく叶えることはできない。これって視聴者と同じ立場なんだよね。
かつて『ミニハムずの愛の唄』でハム太郎、『アイーンダンスの唄』でバカ殿とのコラボレーションをやっているのだから、これも単純にドラえもんmeetsダブルユーにしてしまった方が楽だったし、ダブルユーとしても宣伝効果が得られたはずなのに、あえてそれをしなかったのは、それなりに言いたい事があったからだと思う。それは「カレーの匂いがするわ」に象徴されるような「我々の世界にドラえもんはいないけど、我々の世界にもドラえもんに描かれているようなやさしさがある」ということじゃないだろうか。深読みしすぎと言われればそれまでだが、意外と生真面目に仕事をこなすつんく氏のことだ、事前にドラえもんのエンディングだということを把握して作っていたのなら、近いことは考えていたんじゃないだろうかと想像する。