俺を学年で呼ぶな

書店の店頭に並ぶ小学館の学習誌の表紙を眺めていると『小学六年生』だけ誌名ロゴがかっこよさげなフォントで『小六』となってることに気付いた(http://netkun.com/magazine/sho6/)。おしゃれー。でも何故。
勝手な予想をさせてもらうならば、思春期の入り口に足を踏み入れた多感な年頃だけに、はっきりと「小学六年生」と子供扱いしてしまうと、本を手にとって貰えなくなる可能性があったりするからじゃなかろうか。これを買うということはレジで「私は小学六年生です」と自己申告しているようなものなので、背伸びしたい年頃には避けられがちなタイトルであろう。そこでせめてもの対応策としてこのような方法をとったのではないかと推測してみた。どうでもいいことを思い出したが、子供のころの俺は背伸びをして一学年上の学習誌を買っていたものだ。三年生の時に『小学四年生』を買うといった具合で。なんとどうでもいい背伸びか。でも子供はかくも繊細なものなのだ。爪先立ちで一学年上に逃げることができぬ小学六年生に、これぐらいの恩情があった所で文句はないであろう。
もう一つ気になっているのが講談社の児童誌『たのしい幼稚園』の女の子向け別冊が『たの幼ひめぐみ』であることだ。『たの幼』て。本来の誌名が推測しにくい略称でモヤモヤする。『たの幼TVデラックス』というアニメ絵本シリーズが刊行されていたり、編集部側が自らを「たの幼編集部」呼称したりしているので、たのしい幼稚園を知る者にとっては馴染み深い略称なのかもしれんが、部外者たる俺にはなんとなくしっくりこない。おそらく読者側がこの略称を使っているところがいまいち想像できないあたりがひっかかるのだと思う。「ママ、たの幼買ってきてー」「はい、たの幼買ってきたわよ」……うーむ。