リズム天国ディストピア説

よくSFの題材にもなってるディストピアもの(徹底的に管理された社会を描いた作品)なんだけど、リズム天国をそういう目で見ると背筋が冷たくなる感じがして実に良いな。みんな楽しそうにリズムにノッてはいるんだけど、逆にそれは決められたタイミングを少しでも外すことは許されないということであり、失敗すれば『謎のリズム組織』という、恐らく秘密警察みたいな存在に「やりなおし」と言われてしまう。やりなおし→リプレイの間にどんな制裁が下されてるかわかったものじゃない。単純作業的な操作感や、一般的には使われないうえに具体的にそれがなんであるか良く分からない『ノリ感』という数値で人間の価値が判断されるあたりも管理社会っぽさに拍車をかけている。
ハッピー感まるだしで同じ作業を繰り返し続けてるあたりがヤバイのかなー。だいたい自分から天国を名乗ってるあたりからしてろくなもんじゃない気がするしなー。娯楽であるはずのアイドルコンサートでも完全な統制が求められ、人と違う動きをすれば周囲の客が一斉にステージそっちのけで自分の方を睨んでくるあたり、市民達の洗脳度はかなりのレベルに達しているらしい。
「市民、リズムにノることは市民の幸福です。そして幸福は義務です。これを幸福に思わないということは、反逆者である明白な証拠です。さて、市民。あなたはリズムにノりますか?」というコンピューターの声が聞こえてきそうじゃぜ。まあ、喜ばしい事にリズム天国の世界にランダム性はなく、決められたタイミングでボタンを押し続けさえすれば自動的に幸福になれるシステムになっている。確実な幸福が約束された世界、それがリズム天国なのだ。ああ、神よ、私はとても幸福です……!