イナズマイレブン見てる2

26話まで視聴。大人計画の芝居で「どんなシーンでもスタンドバイミーをBGMにしておけば感動的に見える」みたいな台詞があったけど、アニメっつうもんは物語がクライマックスを迎えるタイミングで主題歌(ないし、そのインストバージョン)を流しておけば視聴者のテンションは上がりまくるようになってるよな。そういう意味で26話後半は実に良かった。
最近のスポーツ物だと敢えて主人公チームにトーナメント敗退を味わわせるという展開も珍しくないのだけれども、イナズマイレブンはストーリーの都合上、トーナメントでの敗北は許されない。それは背後にある巨悪との戦いに敗北するということになってしまうし、卑怯な手段を是とする相手チームを救う事ができないという事にも繫がってしまうからだ。これと同時に制約となってくるのが、雷門イレブンは「諦めない事が俺たちの必殺技」と宣言している点だ。そうすると作劇の都合上、必ず相手に先制点を許さなければいけないという制約を背負うことになる。一度劣勢にならなければ諦めずに追う立場になれないからだ
制約と言ったものの、これらは物語を盛り上げる要素なので、これがデメリットであるという話ではない。俺が視聴していて「これ、どうなるんだろー」とたびたび心配な気持ちになったのはサッカーに時間制限があるということに関係している。時間制限のあるゲームというものは、残り時間の都合上、逆転が絶対に不可能にな状態というのがどうしても生まれるものだ。そんな中、必ず先取点を許す宿命を背負った雷門イレブンはかなり厳しい戦いを強いられるのだが、これが相手の強さを示すために2点、3点と得点を重ねられてしまうと「いままで見てきた相手の実力も考慮すると、残り時間内での逆転は不可能なのではないだろうか」と気が気ではなくなるのだ。26話なんかは凄い緊迫感だった。この状態で勝つには豪炎寺が「シュートの衝撃波でサッカーのルールを変え、一回で10点を獲得してしまう新必殺技」とかを編み出しでもしない限り逆転は厳しいんじゃないかとすら思えた。しかし実際は円堂が一回シュートを止めることに成功してからは、距離も時間も関係なく雷門ストライカー陣がシュートを決めまくるシーンが4回出てきて大逆転。まさに超次元。このアニメは相手に精神を折った時点で勝利なので、あとのシーンはある意味消化試合みたいなもんなんだよな。ただ主人公がキーパーであるために止めた時点では話を終わらせられないというだけで。
最近のアニメや漫画ではスピード感が重要視されてるんじゃないかと思ってるんだけど、イナズマイレブンのスピード感は見ていて楽しかったな。集中力のない子供をテレビの前に繋ぎとめておくには常に物語が流れているというのは効果的だろうし。ただ、かなり愉快な設定が用意されてる敵チームの選手はもちろん、一部チームメイトですらあまりキャラクター的な掘り下げがないのがもったいなく思えた(マックスなんてサッカー未経験の生意気キャラという、いかにも一波乱起こしそうなキャラなのにほとんど空気……)。ただ、そこはゲームや関連書籍で補完してくださいということなのかなー。そもそもゲームの方が先に発売されてるわけだし。
まだまだ熱は冷めてないので、引き続き視聴を続けいていくつもりだが、前述の制約から物語がマンネリに突入するのではないかという心配と、ひょっとして今後のストーリーってDSソフトのイナズマイレブン2を同じだったりするのという心配がちらつく。アニメで既に放送された分と同じなのは当然だろうけど、その先はどうなるんだろ……。