書き記したのは誰だ

先日のエントリでこのような事を書いた。

まるでキン肉マンという実在の超人の話が口伝の末に奇譚めいた色合いを帯びて伝わったのがコミック版のキン肉マンなのではないかという感じ。

では史実を今のキン肉マンという物語の形にして語り継いだのは誰なのだろうか。
ここでキン肉マンII世に登場するMAXマンのセリフを見ていただこう。

30年前 俺の祖父が初代キン肉マンに倒された時…
リングサイドにはスニゲーターJr… つまりオレの父がいた!

あわてて悪魔六騎士編を読み返したのだが、リングサイドにはスニゲーターJrの姿はない。いたはずの子供の姿が描かれていないのは何故か。それは当然、王となり正義超人を束ねるキン肉マンの英雄譚に、子の前で親を惨殺したなどというエピソードがあってはならないからである。これでミートがMAXマンの目を見る事ができぬほどに怯えた理由もわかってきた。奴だ。ミートだ。あの物語は、ミートによって神秘性のスパイスをふりかけられ都合の悪い部分を編集され、キン肉王家の強大さを後世の人間に伝える目的で作りあげられたものなのだ。悪魔超人編の最初で悪魔超人の姿がコロコロ変わるのは、きっとバラバラにされておぼろげな意識で見聞きしてたからに違いない。なんだよ、プリプリマンって。また、あんな小さい子がミキサー大帝相手に善戦するのに違和感を感じていた人も多いだろうが、あれも書き手がミートであったとすれば納得がいく。なにより彼がコールドスリープでII世の時代まで眠っていた理由もハッキリしようというものではないか。彼は歴史を語り継ぐ者なのだ。
…ミートが何故、タッグトーナメント編でスグルが観客の爺さんを放り投げるシーンを「アリ」と判断したかについては次回をお楽しみに(つづかない)