カットイン坊主

ボイスとともにピカーンとかいいながらカットイン演出が発動するだけでなんか良い気持ちに。フン、なんとも安いオタよの。程度としては最下層のオタって感じだ。でも楽しいから仕方ないんだよネー。スパロボとか格闘ゲームに登場するあの演出は最小の努力でそれなりの効果をあげておるよな。安酒みたい。そして俺は安酒が好きだ。
以前全く面識のない方の葬儀に参列する機会があったんだが、坊さんがお経を唱えてる時間の退屈さが死者を悼む気持ちを凌駕したためにフラストレーションゲージが急上昇しはじめたんで「このゲージを消費して坊主のカットイン演出&必殺技発動とか起こらないかなー」と思った。必殺て。もう死んでるっつうのな。
いいんじゃねえの?坊主(声:玄田哲章)の叫び声とともに禿頭がピカーン!効果は一定時間死者が蘇生。思わぬ奇跡に告別ゲージも急上昇。六文銭カウンターから清め塩→野辺送り→引導と繋いで一気に成仏までもっていくチャンス。これで勝利は確実?いやいや、勝利とか敗北とかは存在しないんです。死の前には勝者も敗者もないんです。全ての人に対して死は平等なんです。そっかー、じゃあ坊主のカットイン演出の意味はなんだったのかなー。あってもなくても何も変わらなかったってことだよね。御霊前でピッカーンとか言って大はしゃぎした結果、得るもの無しってなあ。まあ人ひとりの命を失ったことの前では、何を得たところで収支プラスにはならんのかもしれんが。そう思った瞬間、画面外から俺の心に悲しさが滑り込んでくるのだった。