加護の谷

この前、知人宅で、さんまのまんま加護ちゃん出演回のビデオを見た。実は復帰発表後の加護を動画で見るのは初めてだったのだ。インタビュー等の動画もいままで一切見ていなかった。というのも、俺が好きだったのは歌うアイドル加護亜依であったわけなので、急に役者とか言われても興味もてねーなーというのと、あと、あれだ、不気味の谷現象ってあるじゃないの。ロボットとか人形を人間に近づけて精巧に作りすぎると、見るものに生理的な嫌悪感を抱かせるっていうやつ。あれに近いことが起こりそうな気がしたのな。「加護っぽいのに加護じゃない!」みたいな。W(ダブルユー)の文字に刻まれた2つの谷が俺を2度の死へと誘う……恐ろしいことだ。
だいたい、加護のブログは初期の迷走感がすごすぎた。ビスケットクラブっていうタイトルからわけわからない。どっからでてきたの、ビスケット。ポケットを叩いたら出てきたのか?そして負のイメージを拭い去るためにキャラクターの変更を余儀なくされた加護が醸し出す手探り感よ。自分で自分のキャラが把握できてない感じ。オープン間もない頃の語尾に「〜の!」とつけることによって読者に語りかけてくる文体が気持ち悪すぎたので、思わず加護ブログ文体で芥川龍之介羅生門を書いてみたのだが、ここで発表する前に文体が変わってしまった。加護も「あっ、これはないわ…」って思ったのじゃろか。そしてプロフィールに書かれた『趣味/世界遺産を見る事』ってやつ。ちょっと大人の加護ちゃんを演出しようと思った結果がこれだもの。世界遺産を見ることて。
さんまのまんまで見た加護はわりと加護で安心しました。安心したついでなんだけど、もういっかいダブルユー再結成してくれねーかなーと思った。俺は30歳ぐらいのダブルユーが超見たかったね。声優界だと井上喜久子17歳みたいなネタがあるけど、これがアイドルだと、精神的な若さと実年齢の乖離を笑うような(天地真里とかにしきのあきらみたいな)やつとか、マジすぎてツッコめないようなの(主に松田聖子)とかしかないじゃない?だけどダブルユーって、2人とも子供いる状況にもかかわらず「加護ちゃんは処女!」みたいな客も巻き込んだ真顔の悪ふざけが可能だったと思うんだよな。実に惜しい。俺としては今からでも遅くない……というか一度アイドルとしては汚れてしまった状況の方が、それを無理矢理なかったことにするという面白さが際立つので、むしろ全然アリじゃないのかと思うんだが……まあ、ナシなんだろうな。