あずまんが10年

新装版のあずまんが大王2年生を読んだ。10年経てば古臭くて読めなくなるような漫画だって存在するが、可愛い女子高生がぬるい感じで戯れる漫画なんて、少なくともこれから数十年ぐらいなら普通に読めてしまいそうな強度があると思われるので、安心して手に取ることができた。
そんな中で気になった話がある。それは、真っ黒に日焼けした神楽を「遊んでるってかんじに見える」と言う大阪に、ちよが「小学校の時、クラスの男子もそういう感じでした」と発言、そこに「そーゆー遊びとは違う」とツッコミが入ってオチとなるという四コマ漫画だ。俺はこれをちよと同じ考え方で読んでしまった。この四コマが雑誌に掲載されたのは2000年半ばあたりだと思うのだが、ここで言われている日焼けをして遊んでそうに見える少女とはもちろんコギャルのことである。今現在でも日焼けをした女性はいるし、その手の女性が奔放そうだという色眼鏡で見られることもあるだろうとは思うのだが、ショートカットでボーイッシュな水泳部員である神楽を見て「日焼けしてるから男遊びしてる風に見える」という発想は2009年の俺には思い浮かばなかった。これがもう10年あとに発売されていたとしたら、コマの外にコギャルという存在についての注釈が必要になっていたかもしれない。
あとハロヲタとしては、ともが「グッドモーニング娘!」などという挨拶をしたことについて、よみが「どうかと思うな」とツッコむシーンも気になった。これが2000年末だとすると掲載当時に発売されたシングルは『I WISH』あたり、ここから『恋愛レボリューション21』『ザ☆ピース』という流れであり、まさにモーニング娘が国民的アイドルだった時代なのだよね。普遍的なものを描いてるように見えて、やはり切り取られた時代の空気というのはあちこちに封じ込めらているのだなーと思った。そして、はっきり時代が写り込んでいる以上、この娘達は現在20代半ばから後半ぐらいの年齢になってるんだなーとも思った。