パンク理髪店

坊主頭にするのに金なんて使いたくねえやということで1000円カットの店を利用している俺なのだが、いつも行っている店がつぶれてしまい、やむなく店をかえる事にしたのが二ヶ月前。
その1000円理髪店がなんか偏ってるのだ。客の革ジャン、ピアス、タトゥー率が高いことや店内に流れるパンクロックに違和感を覚えながら店内にある貼り紙を見ると「女性の方からパンクスまで安心して通える店」と指定された範囲がさっぱりな記述。
初来店であるにもかかわらず「この前はどんな感じでしたっけ?」と聞かれた俺は、生来の気の弱さから適当に話を合わせてしまった。以後は怯えながら目を伏せて、ピストルズの話題とかを振られたらどう受け答えしたらどうするかなどとシミュレートしつつ時が過ぎるのを待つばかり。
誤解をされないように言っておくと良い店なのだ。ほんとに感じの良い店なのだ。悪いのは俺がパンクスでないことなのだ。
というわけで、パンク理髪店に行くときは竜や髑髏など怖そうな絵柄の入った服をチョイスし、少しでも場の空気に溶け込もうと頑張っている。
でも今日行ってきたら前の客は子供で後ろの客はオッサンだった。今まで、たまたまコワモテの客がいる時間帯に来店しただけだった。俺の一方的な思いこみだった。