日常

おまんじゅうはありますか?

買い物帰りの俺の横を走り抜けていった子供は、さきほど通り過ぎたまんじゅう屋に駆け込んでいったようだ。『ようだ』というのは後ろを振り向いて確認するほど子供の行き先に興味がなかった俺は、彼の足音が我が背後で減速しつつ何処かへ消えたことからそう…

水中毒、それは苦しい

「好きな飲み物は水」というと、そこはかとなく哀れな雰囲気が漂ってしまうものだが、実際の話、俺は水が好きだ。おそらくヘビースモーカーが煙草を絶やさないような感覚で常に水を飲み続ける。外出時においては携帯しているペットボトルが空になる度に自動…

twitterにだるいとpostする

出先から携帯でtwitterを見ている時、体にだるさを感じたので「だるい」とpostしようとして思いとどまった。それはネットを通じて発信すべきことなのかと。じゃあ、普段書いてる事には発信する価値があるのかという話はさておき、「現時点で俺はだるい」とい…

ダイドーの自販機のスロットが

ダイドーの自販機に、4桁のスロットが揃うとジュース一本当たりみたいなシステムを導入しているものがあるんだけど、ある場所に設置されている自販機は左から3桁までは確実に揃う設定になっており、別の場所にある自販機は2桁目からハズレになる可能性がある…

せっかく俺がかっこよかったのに

ほろ酔いで夜道を歩いておったら、前方から駆けて来た青年が道に転がっていた石を蹴り飛ばしてしまったようだ。その石は不運にも俺の顔めがけて一直線に飛んできた。実に不幸な出来事なのだが、どういうわけか反射神経が人より劣る上に酔っ払いである俺の手…

お水ごくごくマン

炎天下の往来をノロノロと歩いていたら見知らぬ幼児がやって来て、俺に話しかけた。見知らぬ子にいきなり話しかけられること自体珍しいことなのだが、その語りだしが「お水ごくごくマン……」だったから俺も面食らった。どのような反応をするかは続くフレーズ…

骨折の理由は

母親から電話で、妹が足の骨を折ってしまったという話を聞いた。当然のことながら俺は、妹の骨折の理由を問うた。その問いに対し、母親から一言だけ「テコンドー」という返事がきた時、俺の思考は異次元に迷いこんだ。母親の返答があるまでの一瞬に、俺は『…

犬の名前

子供の頃、妹が飼っていた犬がラッキーという名前だった。その犬が病気による衰弱で死を待つのみとなった時、妹は犬の傍に座って、悲しそうな顔で犬の名を何度も呼んでいたのだが、死という無上の不幸を前にした妹が「ラッキー ラッキー」と幸福を連呼してる…

オタ夢十夜6

こんな夢を見た。 アイドルグループBerryz工房のメンバー嗣永桃子が脱退し、新たに大福餅が加入した。なんとなく桃子の脱退は予想していたし、同様に大福餅の加入も心のどこかで予想していたので、俺はその事実にあまり驚くことはなかった。そして新メンバー…

見えない誰かとの会話

商店街を歩いていたら、俺の眼には映らない誰かと熱烈な議論を繰り広げる男を見かけた。相手が見えないながらも、議論は彼の優勢で進んでいるように感じられた。最近の世相からすれば、見えない敵との対決ルートに人生のストーリーが分岐してしまう人がいる…

DJ HERO夢現(ゆめうつつ)

どんな夢を見ていたのかは思い出せないけど「目を覚ませ!」と叫びながら飛び起きた。有限実行の男よの。夢の中において何かを掴むような形で前方に突き出した右手はスルリと夢と現実の境をすり抜けて、窓を閉め切った俺の部屋に溜まった温い空気を掴んだ。D…

路上の修行者

インフルエンザ対策のマスクをした男がイヤホンから盛大に音漏れさせつつ携帯を凝視。その状態で信号が赤に変わった横断歩道を闊歩。目、耳、口を塞ぎつつ危険地帯に身を投じる様は拳法マンガの修行シーンのようだった。その調子で一年ぐらい頑張れば秘拳の…

高速ハッピーバースデイ

中学校の敷地内からハッピーバースデイの大合唱が聴こえたのでふと目をやると、数十人の女生徒が一人の女生徒を祝っているようだった。人数と服装からして、おそらく同じ部活動に所属する仲間であるように思われた。 しかし速いな。ある年齢帯の人間が複数人…

美しく燃える街

ゴールデンウィークに高円寺の商店街に大道芸人達がショーをやりに来るらしくて、それを宣伝する貼り紙が街のいたるところに貼られているのだが、そのキャッチコピーがイベントの規模から考えるといささか大仰過ぎやしないかというテンションなのだ。 貼り紙…

田中邦衛と俺

人名を度忘れすることは誰でもあるだろう。友人知人のような記憶の優先度が高い人物ならともかく、芸能人の名前をうっかり失念してしまったところで別に困ることはない。ところで最近、田中邦衛の名前を忘れる。頭の中のスクリーンに例の顔はバッチリ浮かん…

名札をつけたNPC

とある飲食店チェーンの系列店で、店員の胸元に大きめの名札がついているのを見た。何故その名札が大きめなのかというと、そこには店員の名前の他に出身地、趣味、将来の夢などのデータが書き込まれているためであった。それを見て俺は「うむ」と思った。「…

定食屋のテーブルトーク

定食屋で朝ごはんを食べていたら奥の方の席が騒がしい。ひょいと覗き込むと、そこには酔っ払った2人の老人が居て、大声で何事かを言い争っているようだ。いい歳した人間がここまで声を荒げなくてはならない理由はなんだろうと思ったら、どうも老人達はどちら…

お湯は生きている

最近、食事をとるのが面倒くさくてお湯ばかり飲んでおりました。そのせいで頭に栄養が行きわたらなかったのでしょうか、こんなことを考えました。それはお湯は生きているのかということです。 「水は言葉がわかる」という説があるじゃないですか。説だか与太…

平行世界のナベアツ

商店街を散歩していたら、世界のナベアツの人気ギャグであるところの3の倍数で判断力が著しく低下するアレを真似る幼児がおった。この手のものは見ている方が気恥ずかしくなってしまうものだ。微妙に賞味期限が過ぎてしまっていることも恥ずかしさを募らせる…

オタ夢十夜5

こんな夢を見た。 タツノコプロ製作の野球アニメである『一発貫太くん』の続編は、異常なまでに路線を変更した『透明人間達は中国語を話さないだろう』という劇画タッチのホラー作品で、俗に言うタツノコ狂気路線の始まりだった。内容も成長した(というか全…

人気キャラクターなみすけ

ある民家の郵便受けに貼られたステッカーに描かれたキャラクターが俺の目をひいた。青虫だか恐竜だかの着ぐるみを着た赤ん坊のように見えるキャラクター。よくわからないけど、ちょっと微妙なキャラクターだなあと思った。しかし数週間後、そのキャラクター…

オタ夢十夜 4

こんな夢を見た。俺は勝ち抜きMAD選手権なるテレビ番組に出演している。かなり大掛かりなセット。多数の客。勝ち抜きと銘打たれているが、出演者席は俺のものが1つあるのみだ。最初のお題は『クイズ100人に聞きました』の「てーれーれーれーれー……ピンポンピ…

オタ夢十夜 3

こんな夢を見た。そのゲームのパッケージに書かれた『ごくごくコントローラー同梱で4980円』の文字を見た俺は「ごくコン同梱でこの値段は安いな」と呟きながら即、ソフトを手にレジへと向かった。帰宅した俺は、外見上は完全に緑色のゴームホースにしか見え…

オタ夢十夜 2

こんな夢を見た。そのアドベンチャーゲームのウリは新システムである『クロスディメンションシステム』というものであった。それがどんなものかわからぬままにプレイしていると、画面下半分を占めるメッセージウインドウの中に、主人公の台詞が左上から右下…

オタ夢十夜 1

こんな夢を見た。その夢の中では「妊娠結婚で我等を裏切った辻希美許すまじ」ということで、ヲタ間において辻の名前を正確に呼ぶことは禁忌とされていた。ヲタは『辻』のことを『辶』と呼んでいた。「しんにょう」と呼んでいたのではない。どういう風に発声…

キャラメルコーンと狂気

小雨の降る中で信号待ちをしていたら、野球帽を被った20代半ばほどの男性が俺の横に並んで立った。左手には赤子を抱えるようにしてキャラメルコーンの袋を持ち、右手はその袋と半開きの口の間でせわしなくキャラメルコーンの運搬作業を繰り返していた。 そし…

トライゴンについて覚えている2、3の事柄

コナミのトライゴンというシューティングゲーム、それなりにプレイしていた記憶はあるのだけれども、その内容を全く覚えていない。自機の形も、面の構成も、飛来する雑魚敵の姿はもちろんボスの形状も全く記憶になく、名曲といわれるらしいBGMすら覚えていな…

空気・観音・ただひとつ

路上にうち捨てられたオタグッズの放つ異様さは独特なものがある。例えるなら白骨化した情熱というか。 今日、マンションの植え込みの陰にKanonもしくはAIRのキャラと思われる絵柄がプリントされた湯飲みが捨てられているのを見かけた。俺にはいたる絵を見分…

クリスマスソング

道を歩いていたら後方から幼女の歌声が聞こえたのだが、曲は何故かこの時期にもかかわらずジングルベル。そして歌詞は「おちんちんー おちんちんー おちーんーちんー」というものだった。笑いを噛み殺しながら「複数の要素から構成された複雑な笑いだな」と…

カリー神

行きつけのカレー屋の日替わりランチメニュー以外に楽しみがない人間が存在する…話はしたっけ?しかし本当なら、それほど日替わりカレーを楽しみにする必要はないんだ。その店に通いつめてる俺は「食べたいカレーがあったら、日替わりメニューになくても作り…