オタ夢十夜 2

こんな夢を見た。そのアドベンチャーゲームのウリは新システムである『クロスディメンションシステム』というものであった。それがどんなものかわからぬままにプレイしていると、画面下半分を占めるメッセージウインドウの中に、主人公の台詞が左上から右下に向けて斜めに一行で表示された。そして主人公と対話する人物の台詞が右上から左下へ一行で表示された。つまり、2人のキャラクターの台詞が×印を描くように表示されたのだ。そこでいつの間にか俺の横にいた見知らぬオタが「ほう……これぞクロスディメンションシステム……!」などとぬかしやがった。こんな正気を疑うようなものを新システムなどといってセールスポイントにするゲームメーカーに対し、俺の体は怒りでぶるぶると震えた。
見知らぬオタが言う。「会話ウインドウに一行で収まるように、入力する台詞は短くまとめなければいけませんよ?ここがクロスディメンションシステムの面白さです」
俺は怒りを抑えきれずにオタの横っ面を殴りつけた。床に倒れ伏すオタに馬乗りになり、左右の拳を浴びせ続ける俺。オタは「ぶひぃー」と呻きながら顔の前で腕をクロスさせて顔面をかばおうとする。それを見た俺は「なんだ!それもクロスディメンションシステムか!」と怒鳴りながらオタを殴りつける。そして「次はこんなものを考えた馬鹿を殴りつけてやらないと気がすまない」と思ったところで目が覚めた。