BEAST IN THE SHELL

http://japanese.engadget.com/2006/04/11/tomato-megadrive/

冷戦が終わり機能不全のまま放置された地下核シェルターに誤って閉じ込められ、残された日々をメガドライブと共に過ごすべく備蓄の缶詰で作ったトマトジュース電池。を思わせるこちらはアーティストBen Woodeson氏の作品、題は「Altered Beast

トマトスープを燃料にメガドライブを動かし、獣王記をプレイすることが可能というアート。
核シェルター内で獣王記をプレイし続ける日々を思うと「なんで永劫続く孤独を獣王記1本で?せめてメガドライブプレイTV(http://www.segatoys.co.jp/megadriveplay_tv/)ぐらい置いてくれても…」などと思ってしまうのだが、作者がこの作品を"Altered Beast(海外版獣王記タイトル)"と名付けたところを見ると「貴様が獣王記以外の娯楽を享受する事まかりならぬ」ということなのだろう。この門をくぐる者、獣王記がプレイできるということ以外の希望を捨てよ。
でもまあ、獣王記とシェルターって組み合わせは寂しくて良いかもしれないな。比較するための常人がいなければ超人というものはありえない。基準となる"人"という存在がシェルターの内側にはいないのなら、超人も存在し得ないのだ。そしてまたメガドライブ版の一回り小さい感じのプレイヤーキャラが悲しみを誘うじゃないか。超人よ。矮小なる超人よ。
しかし、俺も「せめてメガドライブプレイTV」とはなんとも謙虚な男よな。ここで違うゲーム機を要求しようという考えが起こらないあたりが慎み深い。まあ、メガドライブプレイTVならぷよぷよが遊べるし。にしてもシェルター内でぷよぷよをプレイしていると本当に息苦しくなりそうだ。ぷよが積み上がるごとにシェルター内の酸素も薄くなっていくような錯覚。それにあれだ。ぷよぷよのBGMってずっと聴いてると鬱病を悪化させる効果がありそうな気がしないだろうか。なんか明るいのか悲しいのかわからないあの曲がメガドライブの割れた音声で流れ続けるかと思うと更に息苦しい。
そして、ひとしきりプレイしてタイトル画面に戻ってきた時に表示される「ふたりでぷよぷよ」の文字を想像してみてくれ。自分の孤独を再認識し、床に突っ伏して慟哭すること間違いなしだ。


そういえば、別れてけっこうたつ元恋人から「ぷよぷよがやりたいんだが、どれを買えば良いのか」という電話があった。ゲームに興味のないはずの彼女がそういう電話をしてきたことから、「ははあん。もう新しい恋人がいるのだな」と推察して、親切に"初代ぷよぷよ"から"ぷよぷよフィーバー"までの内容を順に説明し始めたら途中で電話を切られた。
シェルターの中じゃなくても充分孤独だった。もうぷよぷよいらねえわ。獣王記だけでいいわ。と思ったけど、獣王記も2人用か。もういい。メガドライブもソフトもいらないから、トマトスープだけ置いといてくれ。トマトスープをピチャピチャやって遊ぶから。

http://www.woodeson.co.uk/pages/alter.html