最近の自動アンケート+で面白かった箱
自アンではユーザーによって作成されたアンケートの事を「箱」と呼び、箱のタイトルをクリックして内容を閲覧することを「箱を開ける」と呼ぶのだが、この感覚が面白さを増幅させることがある。
この前、自動アンケート+を見ていたら、こんな箱があった。
◆夜、すべての照明を消してからこの箱を開けてください
箱が作られたタイミングのせいか、こちらの精神状態のせいか、妙な不気味さを発散している箱だった。わざわざ照明を落とすことを要求しているのだからそれなりの理由があるはずなのだが、この段階ではそれが何なのか全くわからない。箱内に画像をアップロードするようなことはできないので、おそらく文章でこちらの心を揺さぶってくることは想像できる。恐らく読み手を恐怖させるような文があるのだろう。ひと目でこちらを言葉の魔術にかけるような類のものかもしれん。ここは相手の要求に乗ってやる形で照明を落とし、エイッとばかりに箱を開けると、
部屋で点灯しているLEDの数は?
なんだこれ。ぶっきらぼうな口調がまた脱力感を誘う。溜息をつきながら周囲を軽く見渡すと、真っ暗な部屋の中でモデムやら電化製品やらのLEDが静かに光っている。力が抜けきった状態で視界に飛び込んでくるLEDランプは普段と違う色彩を放っていて、なんとも愉快に感じられた。灯りを消して箱を開けるという儀式めいた行動を要求してモニターに映された箱に意識を集中させておきながら、急に「部屋のLEDの数」という現実にグイと引き戻す。うまいもんだなーと思った。
あと、個人的に今年一番笑った箱。
◆おいしいよ〜おいしいよ〜
本文は、
おいしいよ〜
で盛り上がろう!
100票目指そう!
本文見た途端うずくまって笑った。閲覧者に「君たちも『おいしいよ〜』という書き込みをすることで盛り上がろう」という提案がなされているのだが、まず「おいしいよ〜」という発言をするには、本当ならおいしいものを食べていなければならない。しかし、おそらくこの人は「おいしい」という感覚とは無関係に「おいしいよ〜」という言葉を発することを要求しており、あまつさえそれで盛り上がれという。無茶である。こんな無茶を言っているのに、語尾の力強くて無邪気なエクスクラメーションマークには自分の発言を疑う様子が感じられない。具体的に100票という目標を提示することさえしている。そして仮に「おいしいよ〜」で盛り上がることができたとして、彼に、そして我々になんの得があるのか。そして何故その言葉は「おいしいよ〜おいしいよ〜」でなくてはいけなかったのか。僕らはインターネットで同じサイトを見ることによって繋がっているのに、彼とは全く繋がっている感じがしない。まるで箱を開けたのを境に、こちらと異なるルールの世界に飛び込んでしまったかのような錯覚を覚える箱であった。ちなみに「おいしいよ〜」というコメントが書き込まれることは唯の一度もないまま、この箱は深く深く沈んでいき、消えた。