メタ能力漫画3、その他
前のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/lu-and-cy/20071121/metacomi2)を書いてて思ったけど、メタ能力の強さは相手の能力につき合わなくて良い点にあるよね。相手を殴ることができる距離にいるということは同時に相手に殴られるという可能性もあるはずなんだけど、別の次元から一方的な攻撃を行えるならば無敵。それがメタ能力者の強み。しかし同じ土俵に立たない者同士の戦いって描くのが難しいだろうなー。既存の漫画でも一方的に攻撃できる能力者が登場した場合、相手は敵を同じ土俵に立たせることから始めるもんな。ジョジョのDIOや吉良しかり、ワンピのクロコダインやエネルしかり。だけどメタ能力の場合は同じ土俵に立ってないところが面白いわけだから、物語にするのが難しそうだ。
同じ土俵に立たないといえば、現実世界における暴力って強いよな。君の正論が相手の耳を素通りする一方、相手のパンチは的確に君の顔面を捉える。勝負事ってお互いが合意した勝利条件が必要になってくるんだけど、暴力は相手の同意を必要としないもん。そして相手を行動不能に追い込めば、あらゆる戦いに勝利できる。オセロ大会参加者全員をボコボコにして優勝、みたいな。いや、オセロに勝ったわけじゃないから優勝はないけどさ。まあ、その大理不尽で物事全ての決着がつかないように法律っていうルールがあるんだろうけど。
そういや、対戦格闘ゲームで負けたヤンキーが筐体の向こうのメガネをボッコボコにするのってキャラクター視点からいうとメタ能力だよね。もしかして究極のメタ能力ってのを考えていったら結局は現実世界の暴力に繋がっていくんじゃなかろうか。任意のタイミングで作者を殺す能力とか。「誰もいない森で樹が倒れたらそこに音はあるといえるのか」っつうアレでいくと、自分の敗北を目撃した読者は全員死ぬ能力とかもいいな。あ、それだと原稿見た人間は片っ端から死んでいくから、そもそも出版されないのか。いや、キャラクター視点からいって、本が出版される必要ってあるのか?……考えてるうちに勝利という言葉の意味がよくわからなくなってきたので、このへんで終了。