駅前CLANNAD

駅前でチラシだか割引券だかを配っている男がいた。近づきつつあるクリスマスを意識してのことか、配られてる紙片が星型をしていたので、俺は風子の事を思いだして少し笑った。男が紙片を手渡そうとする毎に、心の中で「これっ どうぞっ!」「これっ!どうぞっ!」とアテレコして楽しんだ。しかし、かさばりそうな形状のせいか、全然受け取ってもらえないようなので、俺は愕然とした表情で「みんなの記憶から消え始めてるんだ……」と呟いたりした。しばらく眺めていたけど星型はあんまり受け取ってもらえてなかった。男もなんかやる気がない感じになってた。ちょっとよそ見してたらどっか行きやがった。でも、もしかしたらどっか行ったんじゃなくて俺の目に映らなくなっただけかもしんない。