交わらぬ二つの星

また今日もだ。最近、飯を食いに行く途中でいつも同じ男と出会う。迷彩服を着た太目の男は、俺と同様にこの大通りに目当ての店があるらしい。よくもまあ飽きもせずに同じものばかり食えるものだ。ああ、それは俺もおんなじか。目的地に着いた俺は歩みを止めた。前方から歩いてきた彼も同じように歩みを止めた。しかし俺は彼の横を通り過ぎて右のカレー屋へ、彼は俺の横を通り過ぎて左のとんこつラーメン屋へと消えていくのだった。