犯罪自慢小学生

あどけない顔だちをした小学一、二年生ぐらいの子供達が2人で道を歩いていた。1人が無邪気な笑顔を浮かべながら「万引きってしたことある?」と、もう1人に問いかけた。問いかけを受けた方の子は、九月とは思えぬ日差しに負けぬぐらいに溌剌とした調子で「あるよ!」と答えた。あまりのことに、猛暑のために噴き出していた俺の汗がスッとひいた。こんな幼子が得意げに窃盗体験を自慢しあうとは。しかも微塵の罪悪感すら感じない表情で。なんたることか。東京、狂った街。子供の心も灰色に染めるクライムシティ。
しかし続く話を聞くに、それは先日発売したポケモン不思議のダンジョンの話であると判明して大いに安心した。なんだよ、マジでビックリした。勘弁してよ。小学生達は不思議のダンジョンシリーズ初体験であるらしく、「モンスターハウスってのが出たぜ!」「まじで!?」などと、どうでもいいところでエキサイトしていた。