ゾイドの牙はカッターナイフ

茶店で、ゲームセンターにおいて起こった事件について色々と話をしていたのだが、そこでTOMYの恐竜型ロボを題材にした3D対戦ゲーム『ゾイドインフィニティ』で刃物沙汰があったという話を耳にした。
聞いたこともないゾイドのゲームで刺傷事件が発生していたという事は俺にとって衝撃だった。鋭い衝撃ではなく、鈍い、果てしなく鈍い感じの衝撃。思わず目を∞(インフィニティ)の字にしながらガタリと椅子を引いて棒のように直立。しかるのちにゆっくりと中腰になってゴジュラスのポーズで静止。それほどの衝撃だった。俺は喫茶店を後にした後もゴジュラス立ちのままだった。
2004年ぐらいの事件で、対戦結果をめぐる口論が刃物沙汰に発展したということらしく、界隈では『リアルブレード』というスラングが存在するという。別にスト2などのメジャータイトルならOKってわけでもないけれど、「ゾイドのゲームのことで人を刺す人生がある」「ゾイドのゲームを巡って刺される人生がある」ということに、俺は面白さとやりきれなさを同時に感じた。
ただ「ゾイドインフィニティで刺傷事件」という文章にした時の面白さに惑わされがちなんだけど、これって要は競技の内容や結果に対する不満から暴力に発展したというだけの話なんだよな。当事者以外の目から見れば、大抵の他人の争いはゾイドインフィニティなのかもしれない。なんかそう思うと急にさっきまで感じていた面白さがスッとひきはじめたのであった。インフィニティ。